前回の記事で、合気の原理のようなものに触れました。
似たよう内容になりますが、合気の原理を噛み砕いて説明します。
すごく端折って簡単に言うと、こうなります。
- 予測、思い込みで人の姿勢保持が成り立っている。
- 姿勢保持は、一般的に言われている筋力と違う部分でおこなっている。
スケゾウ
ちょっと合気の原理を書いてみようと思うけど。。。
えっ???ちゃんと文章にできるの?
お助
スケゾウ
う~ん。そこが問題なんだよね。でもこれだってのは分かった気がするんだよね。
間違ってるかもよ??
お助
スケゾウ
いや。9割方正しいと思うよ。でも実際の身体操作のやり方は、自分で考えてもらうしかないんだけど。。。
そっか。じゃぁ説明してみて!
お助
合気の原理
「透明な力」他数冊の本と、僕自身が教わったこと、考え続けて気づいたことをまとめて書いてみます。
合気の原理を説明するだけで、具体的な身体操作には触れません。
合気=技術なので、この原理に気づかないと何も始まりません。
佐川先生は17歳の時に、これに気が付いたのだと思います。
では行きます。
目次
錯覚
合気は技術と言ってるのに、いきなり錯覚?と思われるかもしれませんが
相手に錯覚させるというのは、合気の一つの要素になります。
- 平面に書かれた絵なのに立体に見える。
- 月がついてくるように見える。(実際は同じ位置にある。厳密に言うと違いますが。。。)
- 鉛筆を振ると曲がって見える
- 色々な錯視 蛇の回転など
何のための錯覚かと言うと、姿勢制御を崩すためです。
思い込み
錯覚に近いです。
- 階段を上り下りする時、最終段または最初の段を見誤るとバランスが崩れる。
- どこかから飛び降りる時、目測を誤ってバランスを崩す。高さが60cmと目測したが、実は20cmぐらいだった。
- 重いと思って持ち上げる時、予測が外れて軽かった。
階段に関しては、たまにありますよね?
これも姿勢制御の部分を混乱させています。
反射
これも原理の一つの要素となります。
お湯のシャワーのつもりが出てきたのは水でビクッとしてしまった。
寄生獣という漫画があって、そこに寄生生物が5体集まった後藤という最強の寄生生物が出てくるんですが
主人公のシンイチ君が、寄生生物を倒すためのアドバイスを警察と自衛隊にする場面があって
火を使ってギョッとさせるのが効果があると言うシーンがあります。
右手のミギーが言っていたことかも知れません。。。
一種の反射を誘発させるために、ビックリさせるということです。
何で寄生獣が例なの?
と思われるかもしれませんが、こういう事です。
合気のヒントは色々なところにあるということです。
姿勢保持にアクセスする
次に自分の身体の内部の姿勢保持システムを意識してみると筋力とは違うところが働いているのが分かります。
自転車乗るのに、筋力は使ってないですよね?
前に進むのに、ペダルはこぎます。
でもバランスをとるのに筋力は全く意識していないと思います。
細い線の上を歩いてみると、さらに分かると思います。
あれ?バランスって力じゃないなぁと。
身体の内部をしっかりと観察してみてください。
閾値ギリギリ
合気その7で、合気完結への旅のから引用を再度します。
たとえば、室内で何か作業をしていて、ドアをノックする音が聞こえたとします。音が大きければ、「誰かがドアをノックしている」ということを認識するだけです。しかしその音がもし、聞こえるか聞こえないかぐらいの微かなものだったら、「あれ?いま何か聞こえたような気がしたけど何だろう」という意識が働き、作業を中断してドアに目を向け耳をすませるでしょう。この反応は無意識に起こる本能的なものです。つまり我々は、閾値ぎりぎりの刺激を受けると、自動的に感度が上がってしまい過敏状態になるのです。
合気完結への旅 222ページ
閾値ギリギリのところで、相手に無意識の反応を出させる。
そこを制御してしまえばいいと言えるのではないでしょうか?
脳を騙す
反射、錯覚、思い込み、姿勢制御、閾値ギリギリ
これを組みわせて、相手の脳から発せられる命令を
脳を騙すことにより、こちらの制御下に置いてしまう。
これらの複合技で合気の原理は成り立っています。
皮膚の下の筋肉を動かす
佐川先生は、こうおっしゃっています。
合気は外から見ていても分からない。内部の働きで相手の力を抜いてしまい、形には現れない。もとは簡単な原理から出発しているが誰も気づかない。
透明な力 63ページ
この簡単な原理とは????
誰も気づかない??
僕は気づいたような気がします。
佐川先生は、お亡くなりになっているので正解は永遠分かりませんが。。。
この簡単な原理は、内部の働きと組み合わせることで合気となるという意味だと思います。
まとめ
合気の原理は、階段を昇り降りする時の思い込みを人為的に発動させたものだと言えます。
つまり、階段はもう一段あるはずだ、そう思い込んでもう一段進んだら階段はもう終わっていた、
予測を外してしまった。
バランスが崩れて、倒れそうになる。
身体がビックリして脳を介さずに、姿勢保持のために姿勢保持システムが回避行動を行った。
脳からの指令を受け入れられない状態になった。
姿勢保持のために、掴んでいた相手にすがってしまった。
この状態は相手の内部の働きで誘発された。
脳の機能が戻ってきた。指令を身体に出している。
「バランスを取れ!!」
でも相手にすがってしまっているので、手を離せない。
これが合気の原理と言えるでしょう。
最初に書いた通り
人間の姿勢保持システムは
予測、思い込みで人の姿勢保持が成り立っている。
姿勢保持は、一般的に言われている筋力と違う部分でおこなっている。
人間の姿勢保持システムというものは、非常に脆い。
同時にそれは、世間一般で言う、あの人は力持ちだという
力ではないと言えます。
合気探求の道は続きます
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